弘前大学人文社会科学部
社会経営課程 地域行動コース


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社会調査実習 担当教員

平井太郎教授

学生たちによるインタビュー

先生の専攻は何ですか?

社会学です。

その分野を研究しようと決めたきっかけや理由を教えてください。

僕が大学受験の年、センター試験の答え合わせの日に阪神大震災が起きたんです。その後、入学手続きをしてたその日に地下鉄サリン事件が起きました。初めは自然災害だとか頭のおかしい人たちの事件だとか、自分たちの手に負えない話だと思ってたけど、そういう簡単な話じゃないんじゃないかって思いはじめたのがきっかけ。例えば震災ってすごくわかりやすくい。地震自体は自然現象じゃないですか。だけど、地面が揺れたことと、その後に凄い火事が起きてたくさんの人が亡くなって、何年も苦しみが生まれるってことはまた別の問題。地面が揺れたことに加えて、どういう社会の仕組みになってたからで変わるんだって、ボランティアに通いながらだんだんわかってきた。しかも大学2年のとき、社会調査実習で神戸のコンテナに寝泊まりして調査しながら、自然現象と社会現象のせめぎあいを考えるのが社会学って教わったとき、社会学やってこうって決めましたね。

今はどのような調査を行っていますか?

今、こちらでは幅広い地域づくりの調査を行っているんだけど、こっちに来る前からやっていたのはマンションなどの集合住宅に関する研究。アパートであれば、建物の修理とか物の設置は大家さんがしますよね。けどマンションの場合は、実は、個々の所有者が話し合って決めるんだよね。けど高齢化と低所得化が進んで、お金と体力で解決できない問題が出てきた。また、今は10年経てばライフスタイルがガラリと変わるから、建物や設備も時代遅れになっちゃう。身体や建物の老化はある意味自然現象だけど、それが低所得化とか陳腐化とかにするのは社会の仕組み。しかも、そうやってうまれる問題を、マンションだと所有者自身が話しあって解決することにもなってるんだよね。そういう話合いや、それをバックアップする専門家や法制度に何が必要なのか、それが研究テーマです。
マンションと地域づくりっていうのは僕のなかではつながってるんですよ。しかも、マンションは地域づくりより、マーケットとかテクノロジーとか現代社会に欠かせない論点が見えやすい。一方、地域づくりでは「過去を未来に引き継ぐ」っていう、マンションでは忘れがちな論点がはっきりわかる。今、気づいたけど、マンションと地域づくりのフィードバックはまだ誰もやってないし、すごく大事だね!インタビュアーありがとう!

2015年度からゼミナールが開設されるということですが、どういったことをしたいと考えていますか?

ゼミの場自体をワークショップにしたい。話し合いの現場に行って、そこで実際にみんなが関わっていく。そのプロセスを、ゼミの中に組み込んでいきたい。教科書に書いてあるやり方が上手くいかなかったり、はたまた話合いに向いてなさげ人が議論を盛り上げたり、何があるかわからない。これが現場の面白いところ。そこから、ファシリテーションのスキルも学んでほしいです。スキルというと立ち居ふるまいだとか話し方だとかを連想するかもしれませんが、むしろ想像力がとても大切。相手の発言からいかにたくさんのことを想像できるか。そのためには引き出しを多くもつ――だから本をたくさん読む、人の話をじっくり聞く、そういうゼミにしたいですね。

では、先生にとって、地域行動コースの魅力とは何でしょうか。

学生が非常に熱心なところ。それをもっと社会にアピールしたいし、学生も自信を持ってほしい。実はこの記事まとめるのに2時間もインタビューしてるし、すごく要点まとめてるよね(笑)。例えば今後、県外の学生と交流をもつ機会を増やしたらどうだろう。実際に一緒に勉強したり成果を共有したりすることはとても有意義。異なる文化が絡み合って、そこから新しいものがうまれる経験を積んでほしい。あと、アフリカ研究の同僚の先生たちがよく、「アフリカに行きたがるうっかり者を育てたい」って言うんだけど、ぼくは「うっかり起業する学生」が少なくないんじゃないかって思ってる。現場や異文化とふれながら、今までない仕事、っていうよりワークスタイルかな、具現化できるんじゃないかって。

最後に、地域行動コースを目指している高校生に一言お願いします。

弘前大学に来て損はありません。今県内で学んでいるみなさんはもちろんのことですが、ぜひ首都圏はじめ大都市圏の高校生たちにこそもっともっと来て欲しい。 百聞は一見に如かず!一緒に新しいワークスタイル、うっかりつくっていきましょう!

ありがとうございました。

専攻社会学
出身地神奈川県
行ったことのある国イギリス、中国、アメリカ、ロシア
その中で好きな国
休日の過ごし方休日がないんです…
趣味町の獅子舞かなぁ
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