学部長挨拶 Dean's Message

人文社会科学部は、人間文化の多元的理解と現代社会の多面的理解をめざす「文系総合学部」です。文化創生課程、社会経営課程の2課程のもとに、文化資源学、多文化共生、経済法律、企業戦略、地域行動の5つのコースを設け、自国文化の発信と社会課題の解決に貢献できる人材の育成に取り組んでいます。

現代は科学技術が急速に進んでいます。今や、誰もが情報発信のための「テレビ局」や「新聞社」を持っている————

みなさんは、事実上そのような社会にいます。まもなく、誰もが「運転手つき」の生活を送る。各国で実験が進む自動運転技術は、そんな社会を可能にします。
しかし、多くの社会的課題が解決されずに残っていることも、同時に指摘されねばなりません。たとえば地球環境問題、富や教育の格差問題などは、改善しているとは言い難い状況です。

科学技術の可能性を探るにしても、問題に立ち向かうにしても、そのゴールが豊かな人間社会にあるなら、私たちはまず、「人間の営み」そのものを深く考える必要があります。その意味で人文社会科学は、いわば人類の課題に応える鍵をにぎっているのです。

そして「人間の営み」を深く考えるために、弘前大学人文社会科学部は次の2点の特徴をもつ教育カリキュラムを展開しています。

1つは、20年以上にわたって、実習・演習を重視していること。実際に有形・無形の文化財に触れる、地域に暮らす人々の生の声を丹念に聞く、こういった経験からしか学べないことがあります。「現実」や「実物」に即して物事を考え追究していく力を身につけます。もう1つは、グローバルな実践活動に力を入れていること。これは、幅広い視野を身につけ、自分の知識や経験を「相対化」することにつながります。人間の本質が、自分がそれまで思っていたところではないところにあることに気付くことができます。海外留学も、以前から非常に盛んです。

人文社会科学部の前身は、人文学部、文理学部、さらに1920年に設立された旧制弘前高等学校に遡ります。ここには、太宰治(津島修治)も通いました。彼の自筆ノートは今でも大学に保管され、展示されています。

学びの伝統が根づいた弘前の落ち着いた環境の下、みなさんが、人間の営みそのものを深く考えられる人材となって次世代を担い、世界で活躍されることを願っています。

人文社会科学部長

飯島 裕胤(いいじま ひろつぐ)

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