2023年度弘前大学北日本考古学研究センター企画展『未来へ文化財を受け継ぐ ― 弘前大学の文化財科学 ―』開催します

2023年度弘前大学北日本考古学研究センター企画展

 弘前大学人文社会科学部では、平成28(2016)年4月に文化財科学研究室を設置し、北日本考古学研究センター(以下、センター)における文化財の修復や診断を担う一部門として、地域と連携しながら文化財の研究・教育・社会貢献を推進してきました。弘前大学の文化財科学は、日本における文化財科学の発展と同様に、その成り立ちから考古学と密接な関わり合いがあります。遺跡の考古学的調査では、発見された遺物や遺跡について、いつ、どこで、どのような方法で作られたのかを常に新しい視点で明らかにするという探求の意欲が生まれます。また、これらの成果を広く公開するための適切な保存方法や公開方法に関する課題も生じます。文化財科学は、このようなニーズに応えるために、科学的な手法を応用して保存科学、材質・技法、文化財防災、活用、年代測定、産地同定、古環境、探査などに関連する諸課題を考える文理融合型の学問分野です。
 本企画展『未来へ文化財を受け継ぐ ― 弘前大学の文化財科学 ―』は、日本における文化財科学の成り立ちを概説し、これまで弘前大学が県内外で行ってきた文化財科学に関する活動を紹介します。特に、保存科学、材質・技法、文化財防災、活用研究を中心に、本地域で果たしてきた文化財科学の役割を紹介します。保存科学では、具体的な考古資料の保存処理方法を解説し、博物館における活用展示に関連する遺構の切り取りや土層転写などの技術的な側面から実物を交えて解説します。材質・技法では、センター独自の方法論に基づき、県内外の縄文時代の漆工品の製作技術を紐解く展示を、映像や展示パネルなどを通じて紹介します。活用研究では、従来の亀ヶ岡デザインを使った商品開発に加え、土偶や遮光器土偶のVR観察や超拡大撮影により体験するコーナーを設けました。また、センターでは、平成23(2011)年3月に発生した東日本大震災や令和4(2022)年8月の大雨による青森県鰺ヶ沢町で被災した文化財のレスキュー活動を実施し、本企画展では当活動に関する展示も企画しました。本企画展は、文理融合型の総合研究である文化財科学と地域における文化財の保存と活用の楽しさについて知っていただく機会として開催いたします。

◇開催期間:令和5年10月14日(土)~11月12日(日)10:00~16:00
      ※期間中入試のため10月27〜29日のみ休館
◇入場無料
◇展示場所:弘前大学人文社会科学部北日本考古学研究センター展示室
      (弘前市文京町1番地)
◇問合せ先:0172-39-3190・3194/弘前大学人文社会科学部北日本考古学研究センター

≪留意事項≫
◇お車でお越しの際は、大学正門の駐車スペースをご利用ください。なお駐車スペースに限りがあるため、できるだけ公共交通機関をご利用ください。
◇都合により、日程や内容が一部変更になる場合があります。
◇混雑状況によっては、入場制限を行う場合があります。

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