弘前大学人文社会科学部
文化創生課程 文化資源学コース


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卒業生の声

佐々木 太郎(2023年卒業)

卒業生の声

 私は、民俗学を学ぶために弘前大学に入学しました。
 もともと青森県の民俗に興味を持っていましたが、「高大連携公開講座」にて山田嚴子教授による「民俗学」の講義を受講したことが決め手です。自分が、青森県のことはもちろん、自身の生活のことも全く分かっていないことに衝撃を受けました。
 学部時代は民俗学実習を履修し、実習長として野辺地町立歴史民俗資料館の展示リニューアルに携わりました。先輩方が当該地域で得ていた調査結果や、同期及び後輩と行ったフィールドワークをもとに展示作成に取り組み、民俗学や展示の技術を学ぶことができました。また、『あおもり俗信辞典』の編集にも携わることができ、本当にいろいろなことを経験できた日々だったと思います。
 卒業論文では、津軽地方をフィールドとし、「神を『授かる』」という民俗事象をテーマとして扱いました。執筆して1年以上経った今本卒業論文を見返すと、良くも悪くも尖った内容なのですが、山田教授から評価され、日本民俗学会や東北民俗の会で発表ができたことは、とても喜ばしく、良い経験になりました。
 大学卒業後は、青森県職員として、教育庁文化財保護課に配属されました。民俗文化財、無形文化財及び博物館等に係る事務を担当しています。青森県では、民俗分野の専門職採用がないため、行政職として採用試験を受けたのですが、凄まじい幸運により民俗文化財の担当になりました。文化財行政は、文化財の勉強をしてきたとしても、公務員という立場で実務を経験しないと見えてこないものが多く、未だに困惑することもあります。しかし、大学時代の専攻を直接活かすことができる点は他に変え難く、各関係者とやりとりをする際の強みにもなっています。
 公務員には人事異動があるため、現在の配属先に変わらずいることはできませんが、今後も民俗学と繋がりを持っていきたいと考えています。

若松 佳佑(2016年3月卒業)

 私は弘前大学を卒業後、札幌法務局に就職しました。札幌法務局は不動産や法人登記、戸籍、供託などの多岐にわたる業務がある職場です。 私はその中で現在は給与事務を行っています。具体的には職員の給与計算、各種手当の認定といった仕事をしています。
 私が大学時代に所属していたゼミナールは日本語学ゼミナールで、普段から何気なく当たり前に使っている日本語についての歴史的変遷などについて 深く学ぶことのできるゼミナールでした。具体的には日本語の歴史的な変化についての先行研究を読み込み、その中から興味をもった言語事象について 主体的に課題を設定しそれについて研究を行うという形式をとっているゼミナールでした。
 ゼミナールでは相手にわかりやすい文章の組み立てや説明の方法などを意識する必要がありました。そのために計画を立てて資料を作る必要があり、 また、wordやexcelなどを利用して自分なりに工夫をし、ゼミナールの時間には先生や友人に意見をもらいながら発表資料や卒業論文の作成を進めていきました。
 このようにわかりやすい資料をつくり、説明の方法を工夫することは大学生活のみならず、どのような場面でも役に立つと思います。 また、日本語学ゼミナールで経験した様々な言語資料を集めて多角的に物事を考え、粘り強く研究を行ったということが、 現在の仕事に対しても活きていると感じます。

藤原 美津恵(2012年3月卒業)

 学部時代は、2年次から考古学実習を履修したことで、亀ヶ岡文化の遺物に実際に触れ、文化財の扱いを学んだだけでなく、 2度の発掘作業に携わる機会を得ることができました。2年間の実習は、根気のいる作業ばかりで、正直他のことをしている余裕もないほど大変なものでしたが、 同じ実習を受けていた仲間と励まし合い、頑張ることができました。3年次からは西洋考古学ゼミナールに所属していたのですが、 日本考古学ゼミナールのゼミ旅行に同伴させてもらって青森県内の遺跡巡りをしたり、4年次になってもアルバイトとして 考古学実習室の遺物整理をお手伝いさせてもらったりして、そういった経験から、自分の専攻する分野でも納得のいく出来の卒業論文を残すことができました。
 学部を卒業した後は、経済的な理由から、一度学問の世界を離れて民間企業に就職しました。就職当初から大学院への進学を決めていたので、 約2年間だけでしたが、観光に関わる仕事に従事し、たくさんの人と出会い、たくさんの考えに触れ、かけがえのない経験を積むことができました。 文化財研究とは、観光資源に付加価値を与えることのできる意義深いものだと思います。現在は、大学院で古代ローマ時代の建築美術の研究をしていますが、 修士論文の研究テーマとは別に、常に自分の中で「文化財の有効活用と地域活性化」をテーマに、観光業に再び携わるとしたら、 今の私の研究を地域社会にどのように活かすことができるのか、ということを考えながら、将来について模索しているところです。

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