弘前大学人文社会科学部
文化創生課程 多文化共生コース


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卒業生の声

2015年度卒業生

蒔苗陽子
宮城県仙台二華高等学校出身
人文学部人間文化課程アジア文化コース卒業
総務省東北管区行政評価局

 私は、総務省東北管区行政評価局に勤めています。現在、行政相談課に配属され、ラジオに出演して広報活動を行ったり、行政相談事例を紹介するパネル展や、国や自治体等の機関の職員を集めて様々な相談を受け付ける一日合同相談所など、様々なイベントを開催し、行政相談制度の周知を図っています。国民の方から直接、困りごとを聞き、相談を受け付けるので、今どんなことに困っているのか、何を求めているのかが分かり、とても勉強になります。
 大学では、日本史ゼミナールに所属し、『続日本紀』の史料輪読や広島へのゼミ旅行を通じ、歴史の奥深さを学びました。また、卒業論文では、権力と鷹狩りの関係について研究し、鷹がどのように時の政権に利用されたのかという視点から論文をまとめました。
 大学では自分自身の知的好奇心を満たすため、好きなことをしてきました。そのため、社会に出てからは人の役に立つことがしたいと思い、公務員を目指しました。ゼミナールで学んだことと公務員の業務は一見して結びつかないもののように感じますが、卒業論文で学んだ研究手法、論文の読み方、情報整理の仕方は、働く上でも生かされています。卒業論文を書く上で参考文献に当たるのは必要不可欠です。論文を読み、さらに参考論文を芋づる式で探して読んでいき、何を問題意識とし、何を明らかにするのかを考えました。大量の論文を読み、自分なりにそれをまとめていく情報整理の仕方を学びました。また、相手を納得させることのできるような文章の構成を考え、最終的に完成させたことは、自分の自信にもつながっています。業務でも多くの論文を読む機会がありますが、卒業論文で大量の論文を読み込んだおかげで、抵抗なく論文を読み、要点をとらえ、情報を整理するなど業務に生かすことが出来ました。
 社会に出てから思うのは、「何が役に立つか分からない」ということです。アルバイトでは、素早く業務をこなすコツは何か探る視点、周りと協力して業務を進めることの重要性と難しさを学びました。初めての海外旅行では、色々なものを見て、聞いて、感じて、言葉は通じなくても何とかなるということ、相手とコミュニケーションを取る方法は一つではないと気づいたことは大きな発見でした。また、就職活動では、自分が動かなければ何も始まらないということや、先輩、後輩、同じ道に向かって頑張る仲間がいる心強さなど、本当にたくさんのことを学びました。
 「何が役に立つか分からない」ということは、裏を返せば「何でも役に立つ」ということです。将来のことを考えて諦めるのではなく、好きなことをとことん追求してほしいと思います。自分で行動に制限をかけるのではなく、少しでも興味の持てることがあれば積極的に動き、自分の可能性をどんどん広げて行ってください。それができる環境や時間があるのが大学です。社会に出てから後悔することのないよう、思う存分やりたいことをやってほしいと思います。自ら動いて経験したことは、今後の糧となり、自信につながるはずです。

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