弘前大学人文社会科学部
社会経営課程 経済法律コース


MENU

実習紹介

法学コース特設講義「地域における青少年の保護」紹介

概要

 法学コース特設講義「地域における青少年の保護」は、地域の専門家に、とくに青森県内を中心とした課題に関するレクチャーをしていただき、そのレクチャーを受けて、グループで課題を設定して提言を行っていく授業です。
 この授業の特徴は、まず人文学部と教育学部で共同開講している点にあります。それぞれの学部学生の共通の関心事であると思われる「青少年」の様々な課題に関して、異なる専門を有する学生たちがディスカッションを行い、最終的に意見をまとめて提言をしていきます。また、グループでの活動が授業の中心になりますが、グループ分けに関しても、人文学部と教育学部の学生がほぼ同じ割合になるように、また学年や性別も偏りがでないように調整をして、グループの中でできるだけ様々な意見が出し合えるように配慮をしています。
 また、それぞれのグループが自分たちで設定した1つのテーマに関してディスカッションをしながら提言内容をまとめていくのですが、最終報告会だけでなく、構想報告会、中間報告会と合計3回の報告会を設けている点も特徴的なところです。その分グループでのディスカッションの時間は限られますが、学生同士の質疑応答、教員からのコメントを持ち帰って真摯にグループでディスカッションを行っていけば、より説得力があり、より根拠がしっかりした提言が仕上がってきます。そこを狙った授業構成になっています。

具体的な授業展開

第1回・第2回

 導入として、担当教員から授業の概要説明を行います。その中で、国、地方公共団体、民間などの様々な機関に目を配ること、そしてそこには必ず根拠になる法律があるので、そこにも着目することなどが説明されました。

第3回~第6回

ゲストスピーカーの講話 模擬判定会議の様子

 4回に渡って、地域の専門家をゲストスピーカーとしてお招きし、青森県を中心とした課題についてのレクチャーを受けました。
 第3回は、児童福祉行政に携わっている青森県庁職員をお招きしました。最初に、児童福祉施策がどのような位置づけをされているのかを、根拠となる法律や「子ども・若者育成支援推進大綱」などを中心として説明されました。その上で、「児童虐待対策」「要保護児童対策」「子どもの貧困対策」の3点について、青森県の現状や具体的な施策を示しながら解説していただきました。
 第4回は、更生保護の視点から、青森保護観察所の保護観察官にお話をいただきました。更生保護の意義や歴史など、根本的なところから解説が始まり、更生保護制度の概要を、青森県内の状況を踏まえてお話しいただきました。
 第5回は、青森少年鑑別所の鑑別技官にお越しいただき、少年司法に関わる機関の立場からお話を伺いました。まず、基本的な少年鑑別所の役割や鑑別の流れなどをお話いただき、さらに地域援助に関する説明も伺いました。その後、グループに分かれて、模擬判定会議を行いました。架空の事例に基づいて、少年に対する処遇を学生がディスカッションするというものです。
 第5回は、青森県総合学校教育センターの指導主事をお招きして、主として不登校問題に関するお話を伺いました。不登校の定義や名称の変遷などのお話から、実際に不登校を解決するために必要なこと、適応指導教室の活動などを、具体例を挙げながら説明していただきました。途中で「探偵ゲーム」などを行ったりするなど、学生も参加する形で授業が展開されました。

第7回

 これまでの4回のレクチャーを受け、第7回の授業では、グループごとにテーマを設定するためのディスカッションを行いました。まずグループの課題を設定し、その課題に関してどのような項目を調べればいいか、どのような方法で調べればいいかを話し合いました。

グループワークの様子

第8回

 前回のグループでの話し合いの内容を踏まえて、構想報告会を行いました。グループごとにテーマと調査項目を報告し、質疑応答を経て具体的な内容を詰める作業に入っていきます。

第9回・第10回

 テーマが固まったところで、2回に渡ってグループごとに資料収集やディスカッションを行いながら、グループの主張内容を固める作業を行いました。

第11回

 構想報告会以降の修正点、そして進捗状況を中間報告会でグループごとに報告します。それを受けて質疑応答を行い、グループでの主張内容により説得力を持たせるためにどうしたら良いのかを議論していきます。

第12回・第13回

 中間報告会で受けた指摘を踏まえて、グループの主張を補強するための資料を追加的に収集したり、ディスカッションを行ったりしながら主張内容を固めていきます。並行して、最終報告会に向けたプレゼンテーションの準備も行っていきます。

第14回・第15回

 2016年度は6~7人のグループが5つできたので、最終報告会を2回に分けて行いました。それぞれのグループのテーマは、「不登校児童生徒への新たな学習を目的としない居場所づくり」「学校復帰を目指す不登校の子を持つ親に対する支援制度」「子どもの貧困に対する青森県の施策について」「青森に合った更生保護」「不登校児童生徒について~弘前の不登校児童生徒に対して何ができるか~」でした。これまでと同様、グループの報告を受けて質疑応答を行いました。全グループの報告が終了したところで、グループごとにこの授業全体の振り返りをしてもらいました。

最終報告会の様子

ページトップへ