弘前大学人文社会科学部
社会経営課程 経済法律コース


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実習紹介

経済法律コース応用科目「地域司法実習」紹介

授業の概要と特色

司法制度は、日本全国一律で稼働しているため、地域の特色は出にくいとされています。しかし、実際には、地域ごとの課題が生じています。例えば、「司法過疎」などが代表的な問題です。また、地域の司法に関する課題を考えることで、現在の司法制度の問題点を探ることができる場合もあります。地域司法実習では、履修者が決めたテーマについて、現在の司法制度についての知識を深めた上で、青森県内の専門家に話を伺ったり、施設見学や裁判傍聴などをしたりしながら、地域における司法の課題を発見し、その課題克服のために何が必要かを考えていきます。最終的には、授業内で報告会を行い、その内容を報告書の形で文章化します。
具体的には、関心のあるテーマについて、まずは現在の法や制度の枠組みを理解し、その上で、「地域」という視点から問題点を探し出します。その探し出した問題について、現状がどうなっているかを、自ら足を運んで確かめ、関係者の話を聞いて問題の本質を探ります。その問題について、自ら考察し、自分なりの解決策を示すことが、この授業の目的になります。単に書物などを読んで問題点を考えるだけでなく、実際に見たり聞いたりしてきたことを踏まえて考える点に、この授業の特色があります。
複数人で1つのテーマを設定することもありますが、基本的には、履修者がそれぞれの興味関心に基づいてテーマを設定し、調査等を行っています。

具体的な授業展開

第1回 イントロダクション
導入として、担当教員から授業の概要説明を行い、「テーマ」を探し出すためのヒントを示します。

第2回 テーマの決定
履修者が、それぞれ関心のある話題をいくつかピックアップし、その中からテーマを設定します。一度決定するとそれ以降変更できない訳ではなく、その後の調査の中で、より関心が深まったテーマに変更することもあります。

第3回~第6回 文献等の調査
履修者がそれぞれ決定したテーマに沿って、法や制度面について調査を行います。文献やweb情報など、幅広い資料を使って調査を行っています。同時に、赴く“現場”をどこにするか決定し、そこで何を調べてくるかも考えます。
ほとんどのケースでは、専門家にインタビューを行っています(見学を伴うこともあります)。

第7回 中間報告会
履修者が選択したテーマ、そのテーマに関して地域で課題とされることは何か、それに関連する法や制度はどのようになっているのかをまとめ、報告してもらいます。ここまでで調べた内容が、あとで作成する報告書の原稿の前半部分になります。

第8回~第11回 インタビュー調査等
実際に、専門家に話を伺ったり、施設等を見学させてもらったりします。以下の写真は、インタビューをさせていただいている様子です。

インタビュー調査の様子

第12回~第14回 調査内容のとりまとめ
これまでの調査結果を踏まえて、報告書の原稿作成を行います。
法や制度に関してまとめた前半部分は、中間報告会で、教員や学生から受けた指摘を踏まえて修正を行います。
インタビュー調査等の結果については、原稿の後半部分としてまとめます。

第15回 最終報告会
これまで調査をし、まとめた内容を報告します。
最終報告会の中では質疑応答も行われるので、それを踏まえて報告書の内容をブラッシュアップします。ブラッシュアップされた原稿をまとめて、報告書として発刊します。


報告書の表紙(左が2021年度、右が2023年度)

地域司法実習におけるテーマ

履修者がそれぞれ興味関心のあることを設定するので、テーマは様々です。そのうちの、いくつかを紹介します(カッコ内はインタビュー等に応じてくれた機関です)。
 ○保護観察対象者への自立支援について(青森保護観察所)
 ○子どもの貧困問題解決に向けて県が出来ること(青森県健康福祉部こどもみらい課)
 ○裁判員に関する休暇制度について(青森地方裁判所)
 ○検察官・検察事務官の役割と入口支援(青森地方検察庁)
 ○青森県における児童虐待の実態と支援について(弘前児童相談所)
 ○刑事施設内における高齢受刑者の処遇(青森刑務所)
 ○青森県における障害者雇用促進について(青森労働局)

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