調査地「青森県の中小企業(弘前市、青森市、八戸市、むつ市)」
ある組織が持続可能であるためには、危機が訪れた際に、いかにこれまでのやり方を変えていくかが鍵となります。たとえば、経済不況に見舞われたり、人手が不足したり、地域の企業組織をとりまく社会的・経済的環境はさまざまに変わっていきます。こうした中で、組織はどのようにそのシステムを転換しているのでしょうか。私たちの班では、青森県内で活躍している企業組織に注目し、組織が「転換期」をどのように乗り越え、新たな発展につなげているのかを明らかにします。
私たちの班では、データを駆使して調査を進めていることが特徴です。公開されている統計データを分析することで、いつ、どの分野で、どのように、産業の変化が生じているかを把握することができます。さらに統計処理ソフトを用い多変量解析を行うことで、他の都道府県と比べて、青森県がどのような特徴を持つのかを知ることもできます。一方、聞き取りや観察調査では、当事者が持つ豊かな経験を拾い出し、転換の仕組みに迫ることができます。このようにさまざまなデータを用いて地域の課題を調査し、成果を専門家や現場の方々にフィードバックしていきます。
農業県である青森では、土建業から農業へと事業を展開する先駆的な取り組みも進んでいます。農作物の新しいブランドを打ち立て、県外や海外に向けたPRも積極的に進めているようです。また青森県では、医療にかかわるサービス活動が盛んになってきていることも1つの特徴です。高齢化が進み、労働人口が減り続けている中、組織同士をつなぎ、知識や技術を提供する取り組みがうまれています。こうした組織を調査し、具体的にどのようなプロセスで転換が進められてきたのかを明らかにしていく予定です。