調査活動

調査活動

2021年11月21日、藩校資料調査報告会を実施します。

2021年も藩校資料調査報告会を開催します。2021年度の藩校資料調査の成果を、市民の皆様に向けて報告いたします。2021年度は、弘前大学人文社会科学部多目的ホールからと、Zoomによるオンライン同時配信にて行います。

2021年11月21日(日)13:00~16:00(予定) 開場12:30
弘前大学人文社会科学部4階 多目的ホール
定員40名(先着順)・事前申込不要・入場無料
ZOOMによるオンライン同時配信【メールにて申込必要 締切11月19日〔金〕】

弘前藩の藩校「稽古館」が所蔵していた古典籍資料は、現在、東奥義塾高校や弘前市立弘前図書館に保存されています。これらは江戸時代の津軽地域における人々の「知の体系」を解き明かすための貴重な文化遺産です。弘前大学では、2014年から調査研究を行い、毎年成果発表会を開催してきました。今年度は、特別講師として早稲田大学名誉教授の土田健次郎先生をお招きし、弘前藩の学問を含む江戸時代の学問世界についてご講演いただきます。また調査メンバーが調査の経緯や最新の成果をそれぞれの立場から報告いたします。

津軽の歴史・文化に関心をお持ちの方は、どなたでもご参加ください。一人でも多くの方のご参加をお待ちしております。

2021年度 旧弘前藩藩校稽古館資料調査報告会 概要

日時2021年11月21日(日)13:00~16:00
場所弘前大学人文社会科学部 多目的ホール(定員40名・先着順)
Zoomによるオンライン同時配信
プログラム13:00 開会
開会の辞 弘前大学人文社会科学部 学部長 飯島 裕胤
ご挨拶 東奥義塾高等学校 塾長 コルドウェル ジョン
13:10 【第1部】特別講演
江戸時代の朱子学と古学

特別講師 早稲田大学 名誉教授 土田 健次郎 先生
宋代を中心とする中国思想・日本江戸思想がご専門の先生にお越しいただき、朱子学という観点から、弘前藩を含む江戸時代の学問世界についてご講演いただきます。
(休憩)14:10~14:20
14:20 【第2部】研究報告Ⅰ
弘前藩藩校稽古館旧蔵資料調査の経緯と成果―未来へ向けて―
大正大学文学部 教授・前 弘前大学人文社会科学部 教授(日本古典文学) 渡辺 麻里子
弘前藩校稽古館の蔵書―蔵書目録と古典籍調査を踏まえて―
弘前大学 名誉教授/人文社会科学部 客員研究員(中国古典文学) 植木 久行
15:10 【第3部】研究報告Ⅱ
東奥義塾高校図書館蔵『遭厄日本紀事』について
弘前大学大学院人文社会科学研究科 修士課程(日本史) 楠美 佳奈
東奥義塾高校図書館蔵 狂言小謡本について
弘前大学人文社会科学部 助教(日本古典文学) 中野 顕正
東奥義塾高校図書館所蔵日本思想史関係典籍群について
弘前大学人文社会科学部 准教授(日本思想史) 原 克昭
15:45 コメント・総括
日本大学文理学部 准教授・前 弘前大学人文社会科学部 准教授(日本史) 武井 紀子
16:00 閉会の辞
弘前大学人文社会科学部 副学部長 荷見 守義
16:00 閉会
参加申込方法■ZoomアプリによるWeb視聴参加
【申込期限:11月19日(金)まで】
・Eメールよりお申し込みください。
・お申し込みいただいたメールアドレスに、Zoom視聴用URLをお知らせいたします。各自Zoomアプリ(無料)をダウンロードしてください。
・参加者のみなさまはカメラオフで参加可能です。
・なお、開催数日前になってもお知らせメールが届かない場合はご連絡ください。
■弘前大学会場での来場参加
(人文社会科学部4階・多目的ホール・定員40名・先着順)
入場無料・事前申し込み不要
会場にお越しになる場合には事前の申し込みは不要ですが、新型コロナウィルス感染拡大防止対策のため、会場でのご参加の際は必ずマスク着用の上、密な状況を避けるため、指定された席に着かれるようにお願いします。また、当日体調の優れない方は、ご無理をなされないようにお願いいたします。なお、状況次第では、Zoomによるオンライン配信のみとなる場合もあります。その点もご承知おきください。
問合せ先弘前大学人文社会科学部地域未来創生センター
主催弘前大学人文社会科学部
弘前大学人文社会科学部地域未来創生センター
共催東奥義塾高等学校
後援弘前市 東奥日報社 陸奥新報社
2021年度 旧弘前藩藩校稽古館資料調査報告会 チラシ

2020年12月13日(日)旧弘前藩藩校「稽古館」資料調査報告会を実施しました。

本年度の東奥義塾図書館所蔵和古書調査の成果を中心に、藩校資料調査報告会を実施しました。今年は、2014年度から数えて七回目の報告会となりました。

今年度報告会は、2020年12月13日(日)13:30~16:00、弘前大学人文社会科学部多目的ホールにおいて実施しました。人文社会科学部飯島裕胤学部長による開会の辞につづき、東奥義塾高等学校塾長コルドウェル ジョン先生よりご挨拶を賜りました。

今年度報告会では、学内教員7名が調査研究報告を行い、大正大学文学部渡辺麻里子教授から全体のコメントを賜りました。各教員の報告は、以下の通りです。

  • ・2020年度藩校資料調査概要・東奥義塾高校図書館所蔵日本史関係資料について
    人文社会科学部准教授 武井 紀子
  • ・清版『弘簡録』と明版『通俗演義三国志伝』―藩校稽古館所蔵本と藩主奥文庫所持本―
    弘前大学名誉教授・人文社会科学部客員研究員 植木 久行
  • ・東奥義塾高校図書館所蔵明代関係典籍について
    人文社会科学部教授 荷見 守義
  • ・林正明と『合衆国憲法 補正付』について
    人文社会科学部准教授 南 修平
  • ・東奥義塾高校図書館所蔵日本思想史関係典籍について
    人文社会科学部准教授 原 克昭
  • ・東奥義塾高校図書館蔵 田口卯吉『日本開化小史』について
    人文社会科学部准教授 尾崎名津子
  • ・東奥義塾高校図書館所蔵世界地理関連資料について
    人文社会科学部講師 亀谷 学

武井教員の報告では、東奥義塾高等学校所蔵『皇朝史略』『明治新刻国史略』について、藩校から東奥義塾に至る歴史の中に位置づけて解説しました。植木名誉教授の報告では、清版『弘簡録』にみられる諱避や欠筆や、明版『通俗演義三国志伝』の特徴や他機関所蔵本との同版関係など具体的な指摘がなされました。荷見教員は、東奥義塾所蔵の『歴朝紀政綱目』の書誌を詳解し、蔵印をたどり義塾本の来歴を明らかにしました。南教員は、東奥義塾所蔵の林正明『合衆国憲法 補正付』を取り上げ、合衆国憲法の特徴を踏まえ、著者の来歴や著作、慶應義塾との関係などを追い、当時の留学生の視点について報告しました。原教員は、弘前藩に大きな影響を残した山鹿素行関係の資料群について検討し、義塾所蔵本の重要性を指摘しました。尾崎教員は、『日本開化小史』について、東奥義塾本表紙にある「東奥義塾育英会所有」ラベルと蔵書目録との対応関係を指摘、さらに本書を読んだ人物の着眼点について分析しました。亀谷教員は、『環海異聞』を取り上げて、江戸時代の漂流民の海外体験について書中の図版を提示しながら紹介し、義塾本の特徴について検討しました。

以上の報告を受け、コメントの渡辺麻里子教授は、本プロジェクトの歩みを概略し、これまで携わられた先生方への謝意が述べられました。そして、各報告の要点をまとめつつ、今後の調査の進展に対して一層の期待が寄せられました。最後に、人文社会科学部地域未来創生センター副センター長の武井教員が閉会の辞を述べ、本年度報告会を終了しました。

本年度は、昨年度以来研究の課題として上がっていた、明治初期の啓蒙思想の流入を経ての知の転換や、山鹿素行関係の資料についてなど、これまで詳細に触れられてこなかった部分への深い検討が行われました。江戸時代の藩校・奥文庫関係に加え、近世から近代への連続と転換の双方から義塾所蔵本を見直す視点が出揃ってきたと思います。

今年度は、コロナウィルス流行の影響を受け、感染防止対策として人数制限を設けて会場でライブビューイングを実施しました。さらに、オンラインで同時配信を行いました。当日は、会場に17名、オンラインでも20名弱の方々にご参加いただきました。開催側も初めての試みで不安も大きかったのですが、それにもかかわらず皆様に参加頂けたことから、改めて本報告会の継続的な実施意義を感じることができました。また、オンラインにしたことで、東京など遠方からご参加いただけたなどのメリットもありました。なかには、ここ一、二年で新たにこの取り組みについて知ったという方もいらっしゃいました。

会場参加者のアンケートでは、「今回は2回目(昨年度も聴講した)。大凡の概要が判り、講義について行けたと自負できました。来年も楽しみです」(60代男性)、「大変有意義な時間でした。義塾の蔵書類の意義深さを深く感じさせていただきました」(70代男性)、「蔵書全体から察せられる総合知としての思想・世界観はどのように変化し、近現代思想に影響したと考えられるのか、研究者同士の交流から得られた知見を伺いたい」(50代男性)、「弘前藩の藩校資料を、ミッションスクールである「東奥義塾」が引き継いだというのは全国的に見て特異な例だと思うが、それにしてもこれだけ貴重な資料を良く管理・所蔵されていたことに驚かされる。合衆国憲法が米国の歩みでもあったことが良く分かった。「林正明」の経験と知識を明治時代の日本に生かせる道はなかったのか」(70代男性)など、貴重なご意見・ご要望を頂戴しました。

特に今年度は様々な制約もあり、調査研究会としての大きな活動はできなかったものの、歩みを止めず、毎年開催することの意義・重要性を実感できた報告会となりました。今後とも、皆様のご協力のもと、実りある成果を挙げられるよう事業を進めて参りたいと思います。


2020年12月13日、藩校資料調査報告会を実施します。

2020年も藩校資料調査報告会を開催します。2020年度の藩校資料調査の成果を、市民の皆様に向けて報告いたします。2020年度は、弘前大学人文社会科学部多目的ホールからのパブリックビューイングと、Zoomによるオンライン同時配信にて行います。

2020年12月13日(日)13:30~16:00(予定) 開場13:00
弘前大学人文社会科学部4階 多目的ホール
来聴歓迎 事前申込・入場無料
会場でのパブリックビューイングは定員40名、先着順です。
会場での参加、オンラインでの参加、ともに事前申し込みが必要です(締切12月4日〔金〕)

弘前藩の藩校「稽古館」が所蔵していた古典籍資料は、現在、東奥義塾高校や弘前市立弘前図書館に保存されています。これらは江戸時代の津軽地域における人々の「知の体系」を解き明かすための貴重な文化遺産です。弘前大学では、2014年から調査研究を行い、毎年成果発表会を開催してきました。今年も、今年度調査における最新の成果を、各専門分野の教員がそれぞれの立場から報告いたします。

津軽の歴史・文化に関心をお持ちの方はどなたでも自由にご参加ください。一人でも多くの方のご来場をお待ちしております。

2020年度 旧弘前藩藩校稽古館資料調査報告会 概要

日時2020年12月13日(日)13:30~16:00
場所弘前大学人文社会科学部 多目的ホール(定員40名・先着順)
Zoomによるオンライン配信
プログラム13:30 開会
開会の辞 弘前大学人文社会科学部 学部長 飯島 裕胤
ご挨拶 東奥義塾高等学校 塾長 コルドウェル ジョン
13:45 【第1部】研究発表Ⅰ
今年度の調査の成果を、各専門分野の立場から弘前大学教員が報告します。
「2020年度藩校資料調査概要・東奥義塾高校図書館所蔵日本史関係資料について」
弘前大学人文社会科学部 准教授(日本史) 武井紀子
「清版『弘簡録』と明版『通俗演義三国志伝』―藩校稽古館所蔵本と藩主奥文庫所持本―」
弘前大学 名誉教授/人文社会科学部客員研究員(中国古典文学) 植木久行
「東奥義塾高校図書館所蔵明代関係典籍について」
弘前大学人文社会科学部 教授(中国史) 荷見守義
(休憩)14:35~14:45
14:45 【第2部】研究発表Ⅱ
林正明と『合衆国憲法 補正付』について
弘前大学人文社会科学部 准教授(アメリカ史) 南修平
「東奥義塾高校図書館所蔵日本思想史関係典籍について」
弘前大学人文社会科学部 准教授(日本思想史) 原克昭
「東奥義塾高校図書館蔵 田口卯吉『日本開化小史』について」
弘前大学人文社会科学部 准教授(日本近現代文学) 尾崎名津子
「東奥義塾高校図書館所蔵世界地理関連資料について」
弘前大学人文社会科学部 講師(イスラーム史) 亀谷学
15:45 コメント
大正大学文学部 教授/前 弘前大学人文社会科学部 教授 渡辺麻里子
16:00 閉会の辞
弘前大学人文社会科学部地域未来創生センター 副センター長 武井紀子
16:00 閉会
参加申込方法■ZoomアプリによるWeb視聴参加
【申込期限:12月4日(金)まで】
・Eメールよりお申し込みください。
・お申し込みいただいたメールアドレスに、Zoom視聴用URLをお知らせいたします。各自Zoomアプリ(無料)をダウンロードしてください。
・参加者のみなさまはカメラオフで参加可能です。
・なお、開催数日前になってもお知らせメールが届かない場合はご連絡ください。
■弘前大学パブリックビューイング会場での公開視聴参加
(人文社会科学部4階・多目的ホール・定員40名・先着順)
【申込期限:12月4日(金)まで】
・電話・Eメールよりお申し込みください。
・青森県内在住者に限らせていただきます。
・新型コロナウイルス感染拡大防止のため、会場での御参加の際は必ずマスクの着用をお願いします(会場にマスクの用意はございませんので、各自ご準備をお願いします)。 また、当日体調の優れない方は、ご無理をなされないようにお願いします。
問合せ先弘前大学人文社会科学部地域未来創生センター
主催弘前大学人文社会科学部
弘前大学人文社会科学部地域未来創生センター
共催東奥義塾高等学校
後援弘前市 東奥日報社 陸奥新報社
2020年度 旧弘前藩藩校稽古館資料調査報告会 チラシ

2020年3月『東奥義塾高等学校所蔵 旧弘前藩古典籍調査集録』第六集を刊行しました。

2019年度の調査をもとに『東奥義塾高等学校所蔵旧弘前藩古典籍調査集録』第六集を刊行しました。今年度の冊子には、『佩文韻府』『淵鑑類函』をはじめとする漢籍や、江戸時代の歴史書である『大日本史』や儀式儀礼に関する部類記である『礼儀類典』、福沢諭吉や慶應義塾の学問の影響がうかがえる『地学事始 初編』『泰西修身論』など、資料解題40点を集録しました。

また、近世藩校研究に多くの業績をお持ちである東京学芸大学名誉教授の大石学先生の論考を特別寄稿として収載することができました。

弘前に伝わる古典籍の調査研究の広がり・深まりを感じることができ、本号も充実した内容となりました。

刊行物ページ


2019年11月17日(日)旧弘前藩藩校「稽古館」資料調査報告会を実施しました。

本年度の東奥義塾図書館所蔵和古書調査の成果を中心に、藩校資料調査報告会を実施しました。本報告会は2014年度から数えて今年で六年目となります。当日は昨年度を上回る93名の来場者がありました。

本年度報告会は、2019年11月17日(日)13:00~16:30、弘前市立観光館1階 多目的ホールにおいて実施しました。人文社会科学部今井正浩学部長による開会の辞につづき、東奥義塾高等学校塾長コルドウェル ジョン先生よりご挨拶を賜りました。

本年度は、第一部特別講演として、講師に東京学芸大学名誉教授の大石学先生をお迎えし、「幕末の『教育力』―画一化と個性化と―」と題して講演いただきました。自身が時代考証の監修として関わられた大河ドラマの事例を挙げつつ、幕末当時の教育がどのように行われていたのか、またそうした教育が時代を動かす原動力としてどのように作用したのか、という観点からお話しいただきました。幕末期は、儒教を基本とする教育から実学重視の比重が大きくなっていく教育の改革期に当たります。そうした教育改革の動きは弘前藩でもみられ、東奥義塾高校所蔵の古典籍の中にも、幕末から明治初期の新たな教育の影響が如実に見て取れる資料が多く存在します。本年度講演では、歴史学の視点から稽古館資料が用いられ学ばれた時代的背景を身近な例から紹介いただき、所蔵古典籍個々の資料内容に留まらず、藩校の歴史を踏まえた資料群の性格を考えるにあたり、多くの示唆を得ることができました。

第二部・第三部では、弘前大学人文社会科学部の藩校資料調査プロジェクトメンバー6名が今年度の調査成果を報告しました。各教員の報告については、以下の通りです。

  • ・徐光啓撰『農政全書』とその周辺
    人文社会科学部教授 荷見 守義
  • ・東奥義塾高校図書館所蔵奥文庫関係資料について―上杉鷹山『南亭余韻』他―
    人文社会科学部教授 渡辺 麻里子
  • ・清の康煕帝勅撰『佩文韻府』と『淵鑑類函』
    弘前大学名誉教授・人文社会科学部客員研究員 植木 久行
  • ・『泰西修身論』とフランシス・ウェイランドの諸影響
    人文社会科学部准教授 南 修平
  • ・東奥義塾高校図書館蔵日本思想史関係資料について
      ―《秘事相伝書》の世界~津軽信政と山鹿素行・吉川惟足をつなぐモノ―
    人文社会科学部准教授 原 克昭
  • ・『大日本史』と『礼儀類典』の編纂―(付)2019年藩校資料調査概要 ―
    人文社会科学部准教授 武井 紀子

荷見守義教員は、中国明代末の農書である『農政全書』について、東奥義塾所蔵本の特徴を紹介し、弘前市立弘前図書館所蔵本とセット関係にあることを指摘しました。渡辺麻里子教員は、東奥義塾所蔵「奥文庫」関係資料の全体像を概観し、上杉鷹山『南亭余韻』、北村季吟『湖月抄』について紹介しました。植木久行名誉教授の報告では、清の康煕帝勅撰にかかる『佩文韻府』と『淵鑑類函』が取りあげられました。各書の紹介に加え、大部な中国書の入手経路や取引価格についても言及がありました。南修平教員は、東奥義塾所蔵『泰西修身論』を手がかりに、著者のフランシス・ウェイランドの事績とその著作、福沢諭吉の学問にみるウェイランドの影響について指摘し、明治日本におけるウェイランドの学問が普及した要因について報告しました。原克昭教員は、東奥義塾高校所蔵古典籍のなかの秘事相伝書に注目し、『吉川流 神代四弓再伝/同大星極伝』と『大星相伝聞書』を取りあげ、山鹿素行・吉川惟足からの弘前藩四代藩主津軽信政への思想的・学問的相伝関係について報告しました。武井紀子教員は、『大日本史』『礼儀類典』が和学テキストとして稽古館創設の早い段階に揃えられたこと、特に『礼儀類典』がほぼ全巻所蔵されているのは全国でも珍しいことを指摘しました。加えて、本年度のプロジェクト事業の実施状況についても報告しました。

以上の講演・報告を受け、弘前大学教育学部教授の瀧本壽史教員よりコメントをいただきました。瀧本教員は大石先生の特別講演および各個別報告の内容を丁寧に振り返り、歴史的な流れの中で弘前藩校のあり方・変遷についても考えることが重要であるとの見解を示しました。最後に、人文社会科学部地域未来創生センターの渡辺麻里子副センター長による閉会の辞をもって報告会は終了しました。

本年度の報告会には、弘前市内だけではなく、近隣の青森市や黒石市をはじめとする県内、県外では大館市からの来場者がありました。来場者は地域の文化財・歴史に関心を持つ50代以上の方が大半で、若い世代の来場者が少なかったものの、アンケートからはポスターチラシにより報告会について知ったとの回答があり、本研究会の活動が年々地域の枠を越えて広がってきていることを実感しています。来場者アンケートでは、「教育という観点から歴史をみたことがなかなかなかったので、大石先生のご講演を大変興味深く聞かせて頂きました。これまで語られていた江戸像が実際には異なるものである可能性があるということを面白いと思いました」(20代女性)、「今回の発表会より、大変勉強になりました。特に大石先生は江戸教育力から、現代社会の教育に新しい視点と主張を示した事はとてもすばらしいと思います。自分にとって「何のため学ぶ」事や「何のため研究する」事は、今後に考えなければならない事と思っています」(30代女性)、「あまりに各テーマが駆け足であったため、講義の先生、聴講者共、消化不良ぎみではないかと思いました。この内容であれば、一日のスケジュールで実施して欲しいかったです。でも、おもしろかった。おもしろき世の時でした」(50代女性)、「Q&Aの時間を設定すれば、もう少し活きてくると思いました」(60代男性)、「毎年参加しておりますが、年毎に内容の高度な展開となっていて、すばらしい報告会となっていると思いました。ゲストの先生方のお話しは、とても整理されていてためになりました。これからも地域民間人への窓口としての勉強させていただく場所の弘前大学としてあるようにお願い致します」(60代女性)、「江戸時代まだまだわからない事がたくさんあり、学んで行きたいと思います」(70代男性)などのご意見・ご要望を頂戴しました。

本年度は例年の開催時期・場所を移しての試みとなりました。毎年参加していただいている方々が次第に増え、地域におけるプロジェクトの浸透を実感する一方、特に若い世代へのプロジェクトの周知および文化財や地域資料に対する関心の惹起が今後の課題となっていると感じております。また、近世弘前藩全体の中での稽古館資料の位置づけなど、総体的な視点からの考察も必要であることなど、今後の活動における課題も見えてきたところです。本報告会は、本プロジェクトの調査成果をより有意義に活かすための示唆を多く得ることができた貴重な会となりました。お忙しい中、ご来場くださった皆様、ご講演くださった先生方に心より御礼申し上げます。


2019年11月17日、藩校資料調査報告会を実施します。

2019年も藩校資料調査報告会を開催します。2019年度の藩校資料調査の成果を、市民の皆様に向けて報告いたします。2019年度は、時期と場所が変わります。

2019年11月17日(日)13:30~17:00(予定) 開場13:00
弘前市立観光館1階 多目的ホール
(青森県弘前市下白銀町2-1 0172-37-5501)
来聴歓迎 事前申込不要・入場無料

弘前藩の藩校「稽古館」が所蔵していた古典籍資料は、現在、東奥義塾高校や弘前市立弘前図書館に保存されています。これらは江戸時代の津軽地域における人々の「知の体系」を解き明かすための貴重な文化遺産です。弘前大学では、2014年から調査研究を行い、毎年成果発表会を開催してきました。今年も、今年度調査における最新の成果を、各専門分野の教員がそれぞれの立場から報告いたします。また、今年は、日本近世史がご専門である大石学先生に、幕末の「教育力」について、大河ドラマなどを例にわかりやすくご講演いただきます。

津軽の歴史・文化に関心をお持ちの方はどなたでも自由にご参加ください。一人でも多くの方のご来場をお待ちしております。

2019年度 旧弘前藩藩校稽古館資料調査報告会 概要

日時2019年11月17日(日)13:30~17:00
場所弘前市立観光館1階 多目的ホール
(青森県弘前市下白銀町2-1 0172-37-5501)
プログラム【第一部】
13:30 開会

開会の辞 弘前大学人文社会科学部 学部長 今井 正浩
ご挨拶 東奥義塾高等学校 塾長 コルドウェル ジョン
13:45 【第1部】特別講演 ~14:45
幕末の『教育力』― 画一化と個性化と ―

講師
東京学芸大学名誉教授 独立行政法人日本芸術文化振興会監事
大石学先生
(14:45~14:55 休憩)
【第2部】
研究発表Ⅰ

今年度の調査の成果を、各専門分野の立場から弘前大学教員が報告します。
14:55~15:10
「東奥義塾図書館所蔵明朝関係書籍について」
弘前大学人文社会科学部講師(中国史) 荷見守義
15:10~15:25
東奥義塾高校図書館所蔵奥文庫関係資料について
弘前大学人文社会科学部教授(日本古典文学) 渡辺麻里子
15:25~15:40
「清の康煕帝勅撰『佩文韻府』と『淵鑑類函』」
弘前大学 名誉教授/人文社会科学部客員研究員(漢文学) 植木久行
(休憩)15:40~15:50
【第3部】
研究発表Ⅱ

15:50~16:05
「『泰西修身論』とフランシス・ウェーランドの諸影響」
弘前大学人文社会科学部 准教授(アメリカ史) 南修平
16:05~16:20
「東奥義塾高校図書館蔵日本思想史関係資料について」
弘前大学人文社会科学部 准教授(日本思想史) 原克昭
16:20~16:35
「『大日本史』と『礼儀類典』の編纂」―(付)2019年度藩校資料調査概要―
弘前大学人文社会科学部 准教授(日本古代史) 武井紀子
16:40 コメント
弘前大学教職大学院 教授 瀧本壽史
16:55 閉会の辞
弘前大学人文社会科学部地域未来創生センター 副センター長 渡辺 麻里子
17:00 閉会
講師紹介大石 学(おおいし まなぶ)先生
東京学芸大学名誉教授 独立行政法人日本芸術文化振興会監事
ご講演題目  幕末の『教育力』― 画一化と個性化と ―
〔ご紹介〕1953年、東京都生まれ。ご専門は、日本近世史。東京学芸大学卒業、同大学院修士課程修了、筑波大学大学院博士課程満期退学。代表的なご業績に、『享保改革の地域政策』(吉川弘文館、1996年)、『江戸の教育力 近代日本の知的基盤』(東京学芸大学出版会、2007年)『徳川吉宗・国家再建に挑んだ将軍』(教育出版(江戸東京ライブラリー)2001年)、『大岡忠相』(吉川弘文館(人物叢書)2006年)など多数ありますが、中でも、『近世藩制・藩校大事典』(吉川弘文館、2006年)は、藩制・藩校を学ぶ者にとっての必須の事典です。江戸文化を伝えるご業績も多く、NHK大河ドラマ(『新選組!』『篤姫』『龍馬伝』『八重の桜』『花燃ゆ』)等の時代考証を担当、2009年には時代考証学会を設立し、現在も同会会長を歴任されました。今回のご講演では、弘前藩の教育を含む「江戸教育力」の到達点である幕末の「教育力」について、大河ドラマなどを例にわかりやすくお話いただきます。
主催弘前大学人文社会科学部
弘前大学人文社会科学部地域未来創生センター
共催東奥義塾高等学校
後援弘前市 青森県教育委員会 東奥日報社 陸奥新報社 NHK青森放送局 RAB青森放送 ATV青森テレビ ABA青森朝日放送
2019年度 旧弘前藩藩校稽古館資料調査報告会 チラシ

2019年8月10日、弘前大学オープンキャンパスにおいて、藩校資料調査プロジェクトの展示を行いました。

2019年8月10日、弘前大学のオープンキャンパスを開催しました。その折、総合教育棟314教室において藩校資料調査プロジェクトの展示室を設け、10時から15時の時間帯で、144名もの方々に来場いただきました。展示および解説は、稲見ののか(人文社会科学部3年)を代表とする翻刻部(くずし字を読むサークル)を中心とした学生が担当し、当日来てくださった高校生や保護者の方々、引率の先生方に向けて、藩校資料についての解説を行いました。

展示室では藩校資料の写真と解説文をパネルにし、教室内を一周するように配置しました。また、今回準備・運営を中心的に行った弘前大学翻刻部の活動を紹介するコーナーも設けました。翻刻部で読んでいる古典籍の拡大コピーをパネルに貼り、くずし字の読み方や古典籍の内容を来場者に紹介しました。このコーナー内で特に好評だったものは、『伊勢物語』や『竹取物語』などの和本を置き、来場者が自由に手に取って見られるようにしたコーナーでした。来場した高校生は、現代の本とは異なるつくりや紙の質感、書かれているくずし字などに興味を惹かれているようでした。また実物を用いることで、本の採寸や丁数数えなど、和本の調査の際に行っていることを具体的に説明することができました。このような説明をすることは、資料調査そのものの理解に繋がると思われます。

黒板には、弘前市立博物館所蔵『発句合外浜名所双六』(三谷句仏撰)の写真や『吉備真備入唐絵巻』の絵を貼り、賑やかに飾りました。他にも、藩校資料調査について取り上げた新聞記事を紹介し、これまでの活動を伝えました。

オープンキャンパスを担当するのが初めての学生も多かったが、それぞれが来場した高校生に向けて、自分の言葉で解説を行っていました。普段の自分たちの活動や関心について来場者に説明することによって、自身の理解をさらに深めることにもつながったように感じます。

また、今年度のオープンキャンパスで、高校生からは、展示資料だけでなく「大学における学び」そのものについての質問も多く寄せられたように感じました。大学の学びは、教科書に書かれていることを覚える高校までの学びとは大きく異なります。自分の興味や関心に応じて自主的に学んでいく「大学ならではの学びの姿」を、この展示を通して具体的に示すことができたように感じています。(記・稲見ののか(人文社会科学部3年))


2019年8月東奥義塾高校において、和古書体験学習を行いました。

2019年8月2・5日、高校生・教職員・地域の方々を対象に東奥義塾高校図書館所蔵古典籍の和古書整理の体験学習を実施しました。藩校稽古館と東奥義塾古典籍の概要をお話しし、和古書の取り扱いや調査の要点、注意点を確認したうえで、採寸・紙数数え・目録カード取りなどを実際に体験してもらいました。皆さん、はじめは和古書の取り扱いに緊張されていましたが、一日を終える頃にはポイントを押さえられ、和気あいあいとした雰囲気の中で調査が進みました。普段プロジェクトチームで行っている調査を体験し、地域の文化財に対する意識が高まったとの声をいただきました。


2019年7月東奥義塾高校において、特別講義を行いました。

2019年7月8・9・12日の3日間、東奥義塾高校において古典籍特別講義を実施しました。今年度は、高校1年生から3年生まで、8クラス計210名に参加いただきました。自校のルーツとなる藩校稽古館の歴史や、図書館に所蔵されている古典籍の内容や伝来過程などについてお話ししました。普段なかなか見ることのない古典籍を目の前にして、紙の材質や表紙の色・文様、押されている蔵印など、注意深く観察している様子が印象的でした。講義後には「弘前藩にかかわる書物が自分の学校にあることに驚きました」「津軽の良さに気づくことができました」などの感想が寄せられ、高校生が弘前の歴史・文化に興味を抱くきっかけになってくれたのではないかと思います。


2019年3月『東奥義塾高等学校所蔵 旧弘前藩古典籍調査集録』第五集を刊行しました。

2018年度の調査をもとに『東奥義塾高等学校所蔵旧弘前藩古典籍調査集録』第五集を刊行しました。今年度の冊子には、『資治通鑑』をはじめとする漢籍や、弘前藩儒者である小宮山元益の著した『遵行録』、明治初期の東奥義塾における教育の一端がうかがえる『新鍥天時占候』『絵入知恵の環』など、資料解題31点を集録しました。

また、弘前大学と同様に藩校資料の調査を実践されている信州大学の白井純先生の論考をはじめ、5本の特別寄稿を収載することができました。

弘前に伝わる古典籍の調査研究の広がり・深まりを感じることができ、本号も充実した内容となりました。

刊行物ページ


2018年12月16日(土)旧弘前藩藩校「稽古館」資料調査報告会を実施しました。

昨年度に引き続き、本年度も東奥義塾図書館所蔵和古書調査の成果を中心に、藩校資料調査報告会を実施しました。報告会は今年で五年目となり、当日は75名の来場者がありました。本年度の報告会は、2018年12月16日(日)13:00~16:30、弘前大学人文社会科学部4階多目的ホールにおいて実施しました。はじめに、人文社会科学部今井正浩学部長による開会の辞、続いて、東奥義塾高等学校塾長コルドウェル ジョン先生よりご挨拶を賜りました。

本年度報告会では、第一部基調講演の講師に信州大学人文学部准教授の白井純先生をお迎えし、「信州諸藩旧蔵古典籍の現状と課題」と題してご講演いただきました。信州大学人文学部で取り組んでいる大学所蔵古典籍(藩旧蔵古典籍その他)および学外機関所蔵関連資料の調査概要と、複数藩の所蔵本が混在した「藩文庫」資料群整理の問題点と今後の課題について、ご紹介いただきました。藩校関連和古書調査における手がかりとして蔵印の情報が重要である点など、本プロジェクトと共通する点が見える一方、近世近代移行期における各藩の状況の相違など、現存資料群の形成にはそれぞれの地域に特有の問題と歴史的背景があることが改めて明らかとなりました。また、古典籍調査の教育プログラムとしての効果や地域への成果発信方法など、本プロジェクトにとっても多くの示唆を得ることができました。

第二部・第三部では、弘前大学人文社会科学部の藩校資料調査プロジェクトメンバー6名が今年度の調査成果を報告しました。各教員の報告については、以下の通りです。

  • ・東奥義塾高校図書館所蔵資料の保存木箱について―(付)2018年度藩校資料調査概要―
    人文社会科学部准教授 武井 紀子
  • ・東奥義塾高校図書館蔵日本思想史関係資料について
    人文社会科学部准教授 原 克昭
  • ・古川正雄『絵入智慧の環』について
    人文社会科学部講師 尾崎 名津子
  • ・『資治通鑑』二種―江戸末の藩版と明末の坊刻本―
    弘前大学名誉教授・人文社会科学部客員研究員 植木 久行
  • ・東奥義塾高校図書館所蔵科学関連資料について
    人文社会科学部講師 亀谷 学
  • ・東奥義塾高校図書館所蔵「奥文庫」関係資料について―(付)2018年度藩校資料調査プロジェクト報告―
    人文社会科学部教授 渡辺麻里子

武井紀子教員は、東奥義塾所蔵古典籍の保存木箱の付箋情報などを整理し、寄贈目録類との対比により、東奥義塾の所蔵へと至る書籍の伝来過程について検討しました。原克昭教員の報告では、『御製暦象考成』『新鍥天時占候』など暦書・占書の伝来に稽古館(弘前藩学校)助教の新屋源次郎が関与した可能性が述べられ、近代、これらの書籍が数学類や国文類に再分類されて教育に資されたと位置づけられました。尾崎名津子教員は、近代的な国語教科書の先駆とされる『絵入智慧の環』の著者である古川正雄が福沢諭吉と親しい関係にあったことを指摘し、さらに、本書奥付にみえる「岡田屋嘉七」と福沢屋諭吉との関係から、近代出版事業のあり方について言及しました。植木久行教員は、江戸末期に伊勢津藩藩校有造館で出版された校刊本と、明末坊刻本の二種類の『資治通鑑』について報告しました。両点とも冊数が多く、各巻に捺された蔵印による丁寧な整理と検討がなされたものでした。亀谷学教員の報告では『気海観瀾廣義』が取りあげられ、幕末期の自然科学に対する幅広い関心が紹介されました。最後に、渡辺麻里子教員から、東奥義塾所蔵の「奥文庫」関係資料の研究紹介と、本プロジェクト関連事業の実施状況が報告されました。

以上の講演・報告を受け、信州大学人文学部准教授の速水香織先生、青森中央学院大学教授の北原かな子先生よりコメントを頂戴しました。速水先生からは、信州大の調査に参加されている立場から、本プロジェクトとの共通点などについて発言いただきました。北原先生には、ご自身が長く東奥義塾所蔵本の調査に携われた経験をもとに、東奥義塾のユニークさ、近代移行期の典籍の活用についてお話しいただき、地域に根ざした研究の重要性という観点から本プロジェクトを高く評価していただきました。その後、人文社会科学部地域未来創生センターの渡辺麻里子副センター長による閉会の辞をもって報告会は終了しました。

本年度は、弘前市内だけではなく、近隣の大鰐町や黒石市、さらには盛岡市からの来場者がありました。来場者アンケートでは、「基調講演でこのような藩校に関わる資料の調査が他の地域でも行われていると言うことが分かり、とても興味深く思いました。弘前ではどのような本があるのか今後の報告も楽しみになりました」(20代女性)、「今回が二回目です。研究が進んでいることに喜んでいます」(60代男性)、「年度単位で進捗報告することはVery Good!地域のためになります」(60代男性)、「仕事上でも個人的にも大変参考になりました。有意義な4時間でした」(60代男性)、「古文書の整理追究が大変な事、よくわかりました。これからも調査をいただき、新しい弘前を知りたいと思います」(70代男性)、「多藩に渡る藩文化資料の確認・整理の困難さ、単一藩である弘前の資料の確認・整理の複雑さが対比されて興味深かった」(80代男性)など、調査の継続とその成果報告を望む声が多く寄せられました。また、「東奥義塾にて蔵書実物をみてみたい」(60代男性)、「今後、他大学・多くの研究者の発表を望みます」(60代男性)、「分野を越えたつながりを今後も展開されるよう、できれば若い世代・現役大学生の参加をもっと動かして欲しいと思います」(60代女性)などのご意見・ご要望を頂戴しました。

毎年同じ時期に継続して報告会を実施することで、本報告会も少しずつ地域市民の方へ浸透してきたと感じています。また、他大学での同様の取り組みとの意見交換も叶い、今後、本プロジェクトにおけるより良い調査方法・成果報告を模索していくための多くのヒントを得ることができた有意義な会となりました。お忙しい中、ご来場くださった皆様、ご講演くださった先生方に心より御礼申し上げます。


2018年度 旧弘前藩藩校稽古館資料調査報告会

平成30年12月16日(日)に、「2018年度 旧弘前藩藩校稽古館資料調査報告会」を弘前大学人文社会科学部4階多目的ホールにて開催いたします。

弘前藩の藩校「稽古館」が所蔵していた古典籍資料は、現在、東奥義塾高校や弘前市立弘前図書館に保存されています。これらは江戸時代の津軽地域における人々の「知の体系」を解き明かすための貴重な文化遺産です。弘前大学では、2014年から調査研究を行い、毎年成果発表会を開催してまいりました。今年も、今年度調査における最新の成果を、各専門分野の教員がそれぞれの立場から報告いたします。また長野県内の藩校資料調査を進めておられる信州大学の白井純先生に、長野の藩校資料の現状と課題をご講演いただきます。

津軽の歴史・文化に関心をお持ちの方はどなたでも自由にご参加ください。一人でも多くの方のご来場をお待ちしております。

2018年度 旧弘前藩藩校稽古館資料調査報告会 概要

日時平成30年12月16日(日)13:00~16:30
場所弘前大学人文社会科学部4階 多目的ホール
プログラム【第一部】
13:00 開会

開会の辞 弘前大学人文社会科学部 学部長 今井 正浩
ご挨拶 東奥義塾高等学校 塾長 コルドウェル ジョン
13:10 基調講演
信州諸藩旧蔵古典籍の現状と課題
信州大学 人文学部 准教授 白井 純 先生
【第二部】
14:25 研究報告

今年度の調査の成果を、各専門分野の立場から弘前大学教員が報告します。
16:10 コメント
青森中央学院大学 教授 北原 かな子
16:30 閉会
閉会の辞 弘前大学人文社会科学部地域未来創生センター 副センター長 渡辺 麻里子
主催弘前大学人文社会科学部
弘前大学人文社会科学部地域未来創生センター
共催東奥義塾高等学校 (株)北原研究所
後援弘前市 東奥日報社 陸奥新報社
2018年度 旧弘前藩藩校稽古館資料調査報告会 チラシ

弘前大学深浦エコサテライトキャンパス「2018年度深浦円覚寺古典籍保存調査プロジェクト成果報告会」

この度、「弘前大学深浦エコサテライトキャンパス平成30年度第1回公開講座、2018年度深浦円覚寺古典籍保存調査プロジェクト成果報告会 深浦新発見!-円覚寺の古典籍からわかること-」を開催するはこびとなりました。

深浦円覚寺(青森県西津軽郡深浦町)は、大同 2年(807年)に坂上田村麿が建立したと伝える真言宗醍醐派三宝院流の寺院です。北前船の寄港地である深浦において、航海の安全を守り、信仰を集めたお寺ですが、その秘仏のご本尊十一面観音が、2018年7月17日から31日まで、33年に一度のご開帳となります。

円覚寺は貴重な文化財を数多く所蔵していますが、2017年より弘前大学が主体となって古典籍の調査を行ってきました。その結果、円覚寺の学僧が本山の醍醐寺で学んで来た密教や修験関係の貴重な書物が発見され、真言宗醍醐派の寺院としての歴史が解明されつつあります。また今回は特別に、円覚寺の本寺である醍醐寺の古典籍調査を率いておられる永村眞先生にお越しいただき、醍醐寺と醍醐寺に伝わる貴重な古典籍について、また円覚寺との関わりについてわかりやすくご解説下さいます。

まだ調査は始まったばかりですが、この一年間の調査結果を、地域の皆様に報告いたしますので、是非ご参加ください。

2018年度 深浦円覚寺古典籍保存調査プロジェクト成果報告会 概要

日時平成30年7月6日(金)12:30~15:00 (開場12:00)
場所深浦町役場1階 町民文化ホール
参加料無料
プログラム【第一部】
12:30 開会
開会の辞

深浦町長 吉田 満
12:40 基調講演
中世の醍醐寺とその仏法
-「国宝醍醐寺文書聖教」を通して-

日本女子大学 名誉教授 永村 眞 先生
【第二部】
13:50 円覚寺古典籍保存調査成果報告

13:50 ご挨拶
円覚寺 副住職 海浦 誠観
13:55 円覚寺古典籍保存調査について
深浦町教育委員会 教育課 伊東 信
14:00 円覚寺古典籍保存調査に参加して
深浦町民参加者代表 佐藤 英文
14:05~14:15 成果報告1 高校生による報告
円覚寺所蔵の古典籍からみる昔人の学び

青森県立木造高等学校深浦校舎 3年 岩森 光姫 ・斉藤 奈菜子
14:15~14:25 成果報告2・3 大学生による報告
観音の御利益を語る
―円覚寺所蔵『西国三十三所 観音霊験記図絵』について―

弘前大学 人文社会科学部 2年 田村 優希
「本」というモノ
―円覚寺所蔵『不動明王念誦次第』をめぐって―

弘前大学 人文社会科学部 2年 稲見 ののか
14:25~14:55 成果報告4
深浦円覚寺所蔵古典籍資料からわかること
―町民参加型の文献資料調査を通じて―

弘前大学 人文社会科学部 教授 渡辺 麻里子
15:00 閉会の辞
弘前大学 理事(社会連携担当)
弘前大学 深浦エコサテライトキャンパス所長
石川 隆洋
参加申込参加を希望される方は、事前に電話またはFAXで7月2日(月)までに下記申込先へお申込みください。
深浦町教育委員会 教育課
TEL:0173-74-4419 (平日8:15~17:00)
FAX:0173-74-3050
問合せ先弘前大学人文社会科学部総務グループ
TEL:0172-39-3192
e-mail:jm3192@hirosaki-u.ac.jp
主催深浦町 弘前大学 深浦町教育委員会
弘前大学人文社会科学部地域未来創生センター
後援東奥日報社 陸奥新報社
2018年度 深浦円覚寺古典籍保存調査プロジェクト成果報告会 チラシ

2017年度 旧弘前藩藩校稽古館資料調査報告会

平成29年12月17日(日)に、「2017年度 旧弘前藩藩校稽古館資料調査報告会」を弘前大学人文社会科学部4階多目的ホールにて開催いたします。

弘前藩の藩校「稽古館」が所蔵していた古典籍資料は、現在、東奥義塾高校や弘前市立弘前図書館に保存されています。これらは江戸時代の津軽地域における人々の「知の体系」を解き明かすための貴重な文化遺産です。弘前大学では2014年から調査研究を行ってきました。今年も教員や学生が、各専門分野の立場から最新の研究成果を報告いたします。また慶應義塾大学の小川剛生先生に、津軽家の歌書についてご講演いただきます。

津軽の歴史・文化に関心をお持ちの方はどなたでも自由にご参加下さい。一人でも多くの皆様のご来場をお待ちしております。

2017年度 旧弘前藩藩校稽古館資料調査報告会 概要

日時平成29年12月17日(日)13:00~16:30
場所弘前大学人文社会科学部4階 多目的ホール
プログラム【第一部】
13:00 開会

開会の辞 弘前大学人文社会科学部 学部長 今井 正浩
ご挨拶 東奥義塾高等学校 塾長 コルドウェル ジョン
13:10 基調講演
将軍・大名による私家集の蒐集について
慶應義塾大学 文学部 教授 小川 剛生
【第二部】
14:25 研究報告

今年度の調査の成果を各専門分野の立場から報告
16:10 コメント
東奥義塾高等学校 教頭 木村 隆博
弘前市教育委員会
生涯学習課図書館・郷土文学館運営推進室長 庄司 輝昭
16:30 閉会
閉会の辞 弘前大学人文社会科学部 副学部長 荷見 守義
主催弘前大学人文社会科学部
弘前大学人文社会科学部地域未来創生センター
共催東奥義塾高等学校 (株)北原研究所
後援弘前市 東奥日報社 陸奥新報社
2017年度 旧弘前藩藩校稽古館資料調査報告会 チラシ


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