教員図書出版物 《世界史リブレット人》 038.永楽帝 明朝第二の創業者(出版社:山川出版社)

24.08.20

《世界史リブレット人》 038.永楽帝 明朝第二の創業者(出版社:山川出版社)

永楽帝は明朝(1368~1644)の第三代皇帝である。しかし、その即位は激烈なものであった。父帝は初代皇帝の朱元璋であり、その第4子として生を受け、第2代皇帝の建文帝との足掛け4年の内乱(靖難戦役)を征して皇帝となった。このため、旧建文政権時代からの官僚が大半を占める宮廷では、権力基盤が脆弱であったとされてきた。しかし、靖難戦役を通じて形成した自前の軍隊(燕王軍)を基軸とする軍制改革を行うことで、国軍は永楽帝の権力基盤となり、政権運営では側近政治を徹底することで主導権を握り、外征では燕王軍出身の将校が中心となって永楽帝を支えたため、永楽帝は強力な指導力を発揮することができたことを示した。
(著者の紹介)
荷見守義:専門は中国明朝時代の政治史研究である。14世紀の急激な寒冷化をきっかけに誕生した明朝の特質を政治・法制・環境・軍事・外交・商取引など多方面から分析している。著書・論文多数。本書においては、永楽帝の人物像とその政権の特質について、旧来の見解を一新した斬新な歴史像を提示した。

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